J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は曇り。昨日の雨は上がりました。
今日は暖かくなるようです。
今日は本を紹介したいと思います。門井慶喜著「家康江戸を建てる」です。
と言っても家康は殆ど出てきません。主役は5章に分かれている本編全て個人です。
江戸を洪水から守るために利根川を東京湾から木更津へと流れを変えた人。
良質な金貨を作る事で経済面から秀吉の世から家康へ導いた人。
巨大都市江戸を支える上水道を気付いた人。
江戸城の石垣を積んだ人。
天守閣を否定した人。
全て市井の人の物語です。世界を大きく動かす人の裏で活躍した人の物語は現代のサラリーマンに送る作者の応援歌なのかもしれません。一つの事を愚直にやり遂げる話は痛快で、
胸が熱くなります。少しでも今の自分と重なる部分を探してしまう没入感がありました。
地図を見て利根川の東遷がどれだけ我々の現在の暮らしの役に立っているか。
上水道が人口の増加、街の活性化にどれだけ役に立っているのか。を物語を通じて感じられました。インフラが整備されている現在。このような生活を根本から変える興奮はなかなか味わえませんが、そのダイナミズムに興奮する一冊でした。
とはいえ、我々はネットの勃興に立ち会えた歴史の証人なのかもしれませんね。
この本と同じように我々が、新しいネットの社会で主人公のように日々奮闘している、その姿に本を読みながら投影しているのかもしれません。いつの時代も現場が一番面白い。
そう感じさせてもらえる1冊でした。
2022年4月5日