J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は曇り。明日は雨の予報です。このブログでも世界は再び政治で動き出していると齋藤ジン氏の記事を載せましたが、昨日はトランプ大統領主導でガザ停戦が発表されました。まだトランプ氏が示した3段階和平案の第1段ですが13日にも人質が解放されるといいます。中東にも平和が訪れる事を祈ります。金融市場は沸騰して日経平均も845円上昇48580円まで上昇しました。今後は政治、地政学が経済を動かすと齋藤ジン氏は言っていますが、我々が享受したグローバル経済はそれ以前の市場が一部の人のみで決定される政治で動いていたことを否定しました。政策や会社の経営の是非を数字として社会に報告する事で大勢が参加する市場が判断する、「神の手」に頼りました。1998年に起こったロシア危機でヘッジファンドLTCMが巨額の負債で破綻したときは米FRBと財務省が金融界と協力(圧力)して解決しました。経済主流で世界は経済で回っていると印象付ける事件でした。86年のプラザ合意はG7の政治家達が密室で決めた事よりオープンで即効性があると我々は感じました。トマスフリードマン2006年「フラット化する社会」で今まで隠されていたものがネットの普及で白日の下にさらされ情報が市井の人々へも瞬時に広がる事は隠さず公開する事がイノベーションを起こすと定義しました。これも「神の見えざる手」に頼った手法です。ネットは誰でも平等に情報を入手でき平等に実力で世界と戦える「実力社会」を構築できると人々は信じ、それこそ真の平等であると思い邁進しました。格付けが評価基準になり過度の競争は敗者を努力が足りなかったものとして排除しました。壮大な椅子取りゲームは結果世界の富の75~80%を1%の人が握るまで進み敗者の不満が募りました。富を握る1%はネットのプラットフォームを握る人たちが主でネット社会は雇用を生みません。増え続ける敗者の叫びがトランプを呼び込んだのかもしれません。 政治は密室で少数で決められるという事態は相変わらずあるのかもしれませんが、発信するツールが増えたため密室で決められている事すら以前は判りませんでしたが、反主流派が発信する事で市井の我々にも垣間見ることが出来、それが大きなムーブメントになるという事を我々は先の選挙で知りました。ギリシャ時代のような直接民主制に近い状況がネットによって生み出されつつあります。その中には嘘も大量に発信されているのでそれを選別する能力が我々には必要です。社会が経済で動いていた際は数字は瞬時に動き間違いは修正されると今でも私は思っています。政治が社会を再び動かすようになってそのボラティリティは高くなると思います。振り子が大きく振れるように社会が振り回されることをコロナ禍や関税のニュースで我々は知りました。我々個人がその中で生きていくにはどうしたらよいか、私のような経営者はどのように振舞うべきか、今一度真剣に考える時期に来ていると思います。2025年10月10日