法改正により相続税の基準が変わります。ブログ1987回

J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は晴れ。今朝も清々しい朝です。弊社のお客様が購入した造成地の開発地物件の工事が記録的な9月の雨でかなり遅れています。10月に入り雨が殆ど降らず工事が順調に進んでいます。このままお天気が続き予定通りに引き渡しができる事を切に願います。すでに3か月遅れています。イラン情勢と秋の長雨の影響が、まさか不動産に影響を及ぼすとは考えていませんでした。対岸の火事とはいかない事態、皆さんの周りにもありませんか?

国は相続税の基準を変更します。節税だと思われたものが改定により目的を果たせなくなることが起こっています。国税庁が公表した通達案(2026年9月公表)に基づく、不動産小口化商品および貸付用不動産に関する「贈与税・相続税の評価基準の改定」が含まれます。 この改定により、実勢価格(時価)と路線価等の評価額の「乖離(ギャップ)」を利用した行節税対策に歯止めをかける転換点となります。改正されると2027年(令和9年)1月1日以降に、相続・遺贈、または贈与によって取得する財産から新ルールが適用されます。2026年12月31日までの贈与については、原則として現行の低い評価方法(路線価ベース)が適用されます。この法律は現行ルールでは、不動産小口化商品(任意組合型)を贈与する場合、現物不動産と同じ扱いになるため、実勢価格(購入額)ではなく「路線価」や「固定資産税評価額」をもとに評価額を計算されますが、都心のビルなどでは資産価値を時価の2割〜3割程度にまで大きく引き下げて贈与することが可能になっていました。低い評価額のまま子供や孫に贈与できるため、贈与税を大幅に抑える「資産圧縮の切り札」として富裕層に広く活用されてきた背景があります。しかし、2027年からの新ルールでは、この評価方法がかわります。不動産小口化商品については、原則として「贈与(課税)時期における通常の取引価額(実勢価格・時価)」で評価することが国税庁の方針で固まりました。つまり、1億円で購入した小口化商品は、贈与時にも1億円前後の時価で評価されるため、これまでの「評価圧縮による節税メリット」がほぼ完全に消滅することになります。さらに注意すべきは、実物の賃貸マンション等に設けられる「5年ルール(購入から5年経過すれば従前の低い評価に戻る)」のような経過措置が、不動産小口化商品には適用されない点です。購入時期を問わず、保有しているすべての小口化商品が新ルールの対象となります。そのため、これまで節税目的で購入した保有者や、今後の生前贈与を計画していた富裕層の間で、保有継続か売却かの見極めが急速に進んでいます。つまり不動産を買ったと思っていたら2027年から金融商品に評価が変わってしまう事になってしまいます。実勢価格と固定資産の評価額の差を使う節税効果が得られず、流動性の低い金融商品に変わってしまう事を意味します。投資家にとっては狐につままれた気がする法改正ですが、販売した会社は今後大きな痛手を負う事になります。その会社はVortexです。同社の商品「Vシェア」は銀座シックスのような都心一等地の高い地価を利用した「相続税・贈与税の圧縮(節税)」が目的でした。税制の改定により既存顧客からの解約・売却要求の増加しています。今回の改定は「過去に購入した分」にも遡って適用されます。そのため、すでに「Vシェア」を保有している顧客から、2026年中の駆け込み贈与の相談や、運営会社(ボルテックス)への買い戻し(解約)請求が急増しているといわれています。同社にとっては、資産の流出や買い取り資金の確保という財務面の対応が求められます。前述の「GINZA SIX(利回り1.56%)」のように、同社の商品は一等地にこだわるぶん利回りが低めです。節税という盾を失った今、J-REIT(平均利回り3.5〜4%前後)や国債、他の高利回り不動産と比較されるため、今後は「節税」ではなく「純粋なインフレ対策」や「資産保全」としての価値をどう打ち出すかという営業戦略の転換をせまれたています。不動産を持つことは贈与の際、有用です。それは路線価が実体価格より大幅に低い事が影響しています。東京都心では路線価より2~3倍で取引されている不動産取引では相続際の評価の際路線価で税額が決まるため実勢価格の半値程度になります。且つ賃貸している場合、更に1/2になります。本来は残された家族が相続で家を売らなければならない事を避けるための法律です。小規模宅地等の特例と言われています。居住する事が前提ですので、節税を目的とする場合には居住する事が前提になります。その場合、路線価の2割での評価になります。賃貸している場合は1/2の評価になります。金融商品が時価での評価になるのに対し不動産は大きく評価額が下がるため資産家が不動産を所有して相続税を圧縮するために使われます。今後人口が減少すれば路線価と実勢価格の差異は減ると思います。実際、路線価より低く取引される場所では圧縮効果は働きません。実勢価格が路線価を下回る地域は、日本全国の市区町村の「約8割」に達しているという民間会社のデータ調査結果があります。不動産売買ネットワーク「SUMiTAS(スミタス)」の調べで全国854市区町村の実際の土地取引価格(中央値)と国の公示地価(路線価の元となる基準)を突き合わせた調査によると、以下のような実態が明らかになっています。

圏域別の価格乖離の実態
圏域 実勢価格が公示地価を下回った自治体の割合 特徴・傾向
全国平均 約80% 全国の大半の自治体で、実際の売買価格が国の想定(公示価格)に届いていない。
地方圏 約88% 買い手が極端に少なく流動性が低いため、路線価に関係なく安値でしか売れない地域が大半。
近畿・中京圏 約76% 中心部を除くと、郊外や過疎地を中心に路線価割れが目立つ。
首都圏(1都3県) 約67% 東京23区内や主要駅周辺では実勢価格が路線価の1.5〜2倍超になる一方、郊外や駅から離れた地域では3割以上が路線価を下回っている。

日本の80%が路線価を下回る価格で取引されているとは知りませんでした。首都圏の不動産価格は多くの要因で高値が維持されていますが、相続による節税効果により全国の富裕層から資金が集まっているのだと改めて感じました。税制の歪みが是正される可能性が将来さらにありそうですが、法律の隙間をぬう企業が悪いわけではありません。ただルールの変更により投資家が損失を被るのは避けて欲しいと思います。2026年10月18日

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