J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は曇り気温16℃と季節が進んだことを実感させる暖かさです。 株式市場に目を向けると、先週金曜日の米国株最高値に呼応し、日経平均先物は59,800円まで急騰しました。ついに60,000円の大台が目前に迫っています。しかし、緊迫するイラン情勢やホルムズ海峡の再封鎖といった地政学リスクが影を落としており、大台到達にはもう少し時間を要しそうな気配です。かつての水準を知る身としては、今の価格帯にはまさに「隔世の感」があります。
日本では「中国経済崩壊」といった悲観的な論調が目立ちますが、ロイター通信は異なる視点を示しています。中国政府が不動産セクターの規制に乗り出してから5年、経済は持続可能な軌道へと舵を切っています。
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バブル解消の戦略的着地 2021年以降、中国の不動産価格は平均40~50%下落しましたが、これは政府による「三条紅線(3本のレッドライン)」政策を通じた意図的な調整と言えます。かつて80%の下落を見せ、25年ものデフレに苦しんだ日本と比較しても、中国の傷跡は予想以上に浅く抑えられています。
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「量」から「質」へのシフト 不動産セクターが収縮する中でも、中国は実質GDP成長率5%を維持しています。成長のエンジンは「住宅ブーム」から、AI、ハイテク製造、代替エネルギーといった次世代産業へと移行しました。
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産業エコシステムの強み 「中国製造2025」のもと、EVやロボット工学で欧米勢を圧倒するスピードを実現しています。特に**「80:20戦略」**(最先端技術の80%をコストの20%で実現する手法)や、米国の最新モデルに匹敵する性能を低コストで実現したAIモデル「DeepSeek」の台頭は、世界の脅威となっています。
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地政学的リスクを好機に 米国との対立は、逆に中国の技術自給を加速させました。また、米国の財政問題や不安定な動きを懸念したグローバル資金の「新たな受け皿」として、回復する中国市場が浮上する可能性も指摘されています。
もう一つの驚くべきニュースが、北京市内のハーフマラソン大会です。中国製の人型ロボットが、男子ハーフマラソンの世界記録(57分20秒)を大きく塗り替える50分26秒で完走しました。 15年ほど前にホンダのアッシモ(ASIMO)が歩く姿に驚いたものですが、今や二本足で人類最速を凌駕する速さで走る時代です。この歩行・走行技術は、将来的に介護や建設現場など、人手不足が深刻な分野で革新的なソリューションとなるでしょう。
今日取り上げた2つのニュースから感じるのは、情報の氾濫とソースの不確かさです。 「中国経済は崩壊する」という言説を鵜呑みにせず、現場で何が起きているのか、示された数字にはどのような背景があるのかを分析する力が問われています。
正確な経営判断を下すための「永遠のテーマ」ではありますが、やはり最後は自らの足で情報を稼ぎ、多角的に検証するしかないのかもしれません。現代を生き抜く「おじさん」の苦労は絶えませんが、進化する技術に驚きつつ、冷静に未来を見極めていきましょう。2026年4月20日