国土交通省の新築マンションの高騰対策。市場商品としての不動産について。
J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は晴れ。今朝も蒸し暑い朝です。本日も35℃まで気温が上がる予報です。忙しくするとのどの渇きも忘れがちになります。外回りの営業の方は水分補給をどうぞ忘れずに。
国土交通省は2027年度の税制改正要望に、新築マンションの高騰対策を盛り込む方針を固めました。実需に基づかないマンションの投機的な取引が、都市部の不動産価格の上昇につながっていることへの対応です。25日に開いた自民党の部会での説明では、与党税制調査会で年末にかけて議論し、短期譲渡所得の税率39.63%の税負担をさらに重くすることも視野に入れています。日本の税制改正のプロセスは「要望 → 議論 → 大綱決定 → 法案可決」という4つの主要なステップを経る必要があるため、27年1月に召集される通常国会に提出され、衆議院・参議院の財政金融委員会などで審議された後、通常3月末までに可決・成立するスケジュールになりそうです。ただ、この案が俎上に乗っただけでも市場には一定の抑制効果があると考えられます。また、「金利のある世界」が常態化し、市場にはリスクプレミアムの概念も定着してきました。たとえば、ソフトバンクグループの7年普通社債が4%中盤から後半の利回りで発行されるようになると、相対的にマンション投資の魅力が見劣りします。ここで「市場の見えざる手」が働く可能性が出てきているのです。代替商品が複数存在することは市場の厚みを担保し、健全な市場へ導く契機になります。投資としての不動産が正当な利回りで取引されてこそ、国が進める「貯蓄から投資へ」の一翼を担えるはずです。投機的な動きを抑制するためには、このように幅広い投資市場を視野に入れていく必要があると考えます。
これに加えて、政府・日銀の次世代決済インフラ構想が動き始めます。まずは国債や株式を24時間即時に決済できる仕組みを目指すものです。ブロックチェーン技術の実証実験はこれまでもありましたが、本格的な導入に向けて具体的な日程が固まるのは初めてのことです。金融庁と財務省は、日銀や金融機関などが参加する検討会を今夏に立ち上げ、27年初頭にも整備計画をまとめます。導入方針が決まれば数年後には運用が始まる見込みで、たとえば銀行が日銀に預ける「日銀当座預金」の一部をブロックチェーン上で決済できるようになれば即時決済が可能となります。現在、株式の決済には2日、債券には1日かかっていますが、これが大幅に短縮され、投資家は売却によって得られた資金をすぐに次の投資へ回せるようになります。いわゆる「流動性」ですが、現金化できるスピードの速さと、売りと買いの価格差が詰まっていることは投資において極めて重要です。また、取引コストが少ないことはさらに重要になってきます。その点、不動産は仲介手数料や登記費用などで取引金額の5%から7%ほどのコストがかかること、さらに「一物一価」であるため売りと買いの価格交渉に時間がかかることから、本来は流動性の高い投資商品としては向いていないと言われています。これまでは、その流動性の低さを補う分だけ利回りが高いという建付けでした。かつて、ボルテックスの宮沢社長が「不動産はキャピタルゲイン(価格上昇)、インカムゲイン(賃貸収入)、そして相続対策の3点で有用だ」とお話しされているのを耳にしました。現在はオフィスやマンションの賃料も若干上がってきましたが、利回りが低下する中で「相続対策」が最後の砦となっています。しかし、政府はこの相続対策による節税効果の是正にも興味を示しているため、今後の不動産投資はより厳しい局面を迎えると思います。その結果、投機マネーが引き、実需層が住みよい物件を適正な価格で買える時代が戻ってくるかもしれません。2026年8月26日

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