不動産ポータルサイトの見方・土地編:その「お買い得物件」、本当に理想の家が建てられますか?
J&H HOME(株)小野弘志です。東日本橋は雨あがり。
それも今だけで、台風25号の影響により、今日から明日にかけて雨が続きそうです。特に明日は台風が関東を通過する関係で大雨になりそうですので、通過地域にお住まいの方は十分にお気を付けください。
今朝の散歩中、きんもくせいの香りがふわっと強くなってきました。
雨に気を取られがちですが、確実に秋は近づいていますね。季節は移ろいます。
さて、「雨の休日に不動産探し。不動産ポータルサイトの使い方」の2回目。
今日は「土地編」です。
土地選びはマンションと異なり、チェックする項目がとても多いのが特徴です。そのため、探し始めの初期段階から不動産のプロに相談することをお勧めします。
土地はまさに「一物一価」。
同じ大きさの土地であっても、建てられる建物の大きさは全く異なります。物理的な土地の形状によって制限されるだけでなく、法律による規制も大きく絡んでくるからです。
今日は、ポータルサイトの検索画面では一見魅力的に見えるものの、詳細を調べてがっかりする可能性がある「要注意物件」について解説します。これを知っておくと、検索にかける時間を短縮でき、理想の物件に早くたどり着けるようになるはずです。

1. 「建蔽率(けんぺいりつ)・容積率」
建築基準法(都市計画)では、建物の用途や大きさを制限し、バランスの良い街をつくるために土地の区分を定めています。これらは13の「用途地域」に分かれており、それぞれの区域によって目指す街並みや建築の制限が異なります。
この用途地域ごとに決められている、土地に対する建物の割合が「建蔽率」と「容積率」です。
  • 建蔽率(建ぺい率): 1階部分の大きさ。航空写真に写る建物の輪郭の大きさをイメージすると分かりやすいかもしれません。
  • 容積率: 土地の面積に対する「建物全体の延床面積」の割合。
不動産ポータルサイトでは「50%/100%」などと表示されています。これを見ることで、自分が建てたいボリュームの建物がその土地に建築可能かどうかを計算することができます。

2. 「セットバック」
不動産ポータルサイトでは、掲載されている土地が魅力的に見えるよう工夫されています。「周囲の相場より安くて、土地が広い!」となれば、当然注目度は上がりますよね。
しかし、不動産の世界に「特売物件」はありません。特別に安く感じる物件には、必ず理由があります。その代表例が「セットバック(SBと記載されることもあります)」です。
建築基準法では、幅4メートル未満の道路に面した土地は、道路幅を確保するために境界線を後退(セットバック)させることが法律で義務付けられています。これは、消防車や救急車などの緊急車両がスムーズに通れるようにするための大切なルールです。
この後退した部分(バックした部分)は、自分の土地であっても建物や塀を建てることはできません。
ポータルサイトによっては、セットバック前の全体の面積を掲載しているケースもあります。しかし実際の建築時には、セットバック該当分は道路として拠出しなければならないため、建築面積に算入できません。
使えるのは「セットバック後の面積」となるため、実際に建築できる面積で土地の坪単価を計算し直すと、結局は周囲の相場と変わらない価格になることがほとんどです。

3. 「再建築不可物件」
建築基準法では、建物を建てるために「公道などに2メートル以上接していなければならない(接道義務)」というルールがあります。
この基準を満たしていない土地や物件が「再建築不可物件」です。文字通り、現在の建物を壊して新しく新築することはできません。
ただし、新築はできなくても、柱などの構造だけを残してフルリノベーションをすることで、まるで新築のような内装・外装に変貌させられるケースもあります。
この再建築不可物件も、ポータルサイトでは通常の物件と同じように並んでいるため、一見すると「掘り出し物の安さ」に思えてしまうので注意が必要です。

4. 「前面道路の幅による容積率制限」
希望の土地が「どんな道路に面しているか」も、建てられる面積に大きく影響します。
建築基準法では、土地の前面道路の幅が12メートル以下の場合、道路の幅に応じて容積率が厳しく制限されるルールがあります。具体的には、前面道路の幅員に一定の数値(住居系地域は0.4、商業・工業系地域は0.6など)を掛けた値が容積率の上限となります。
そして、用途地域ごとに決められた「指定容積率」と、この「道路幅から計算した数値」のいずれか小さい方が、その土地の実際の容積率として適用されます。
  • 計算例:
    前面道路の幅が「4m」で、住居系地域(指定容積率200%)の場合
    4m × 0.4 = 1.6(160%)
この場合、指定容積率が200%であっても、道路の制限によって「160%」までしか建てられなくなります。
また、一見同じように見える生活道路でも、法律上の扱われ方(公道、私道、通路など)によって建物の規制が変わる場合があります。

まとめ
不動産ポータルサイトで気に入った物件が見つかったら、まずはこうした細かな要件について、信頼できる不動産業者に相談してみることを強くお勧めします。
2日間にわたり、不動産ポータルサイトの見方を解説してみました。
みなさんの理想の住まい・土地探しに、ぜひお役立てください。2026年9月20日

 

 

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