ガソリン補助金段階的廃止、年末の電気ガス補助金増額、景気と不動産市場への影響は?ブログ1999回
J&H HOME(株)の小野弘志です。
今日の東日本橋は小雨。
雨は午前中には上がりますが、通勤時は少し残るかもしれません。ご注意ください。
この雨が、私が受け持っている土地契約の物件造成工事を遅らせることが無いように祈っています。
高市早苗首相は29日夜、これまで1日あたり100億円以上の国費が投じられてきたガソリン補助金を12月から段階的に縮小し、基準価格を毎月5円ずつ引き上げる方針を明らかにしました。
その一方で、冬場の暖房需要に対応するため、12月から来年2月までの3カ月間、電気・ガス料金の激変緩和措置を導入し、標準的な世帯で計7000円程度の負担を軽減すると表明しています。
この施策が我々の生活にどのように影響を与えるのか、また日銀が注目しているCPIの水準にどう影響を与えるか気になります。
政府はこれまで断続的に補助金を継続・再開してきましたが、昨年の電気・ガス補助金は激変緩和措置の「延長」という形をとっており、標準的な世帯での月額支援額は夏場から秋口にかけて電気・ガス合わせて2000円〜3000円台(酷暑期など月によって変動)の水準を推移していました。
今回は「3カ月合計で計7000円(実質月あたり約2333円)」の補助となるため、支給総額ベースで見れば、昨年と比べて手厚くなったわけではありません。
これが家計の可処分所得や物価(CPI)にどのような影響を与えるでしょうか。
ガソリン価格が毎月5円ずつ上昇することは、地方の車社会だけでなく、物流コストの上昇を通じて東京の消費行動にも「見えない重し」として効いてきます。
電気・ガスへのスライド支援(計7000円)によって冬場の急激な負担増は一時的に相殺されるものの、可処分所得が大きくプラスに転じるほどのインパクトはありません。
CPI(消費者物価指数)への影響という観点では、ガソリン代の上昇が物価を押し上げる一方で、電気・ガス代の補助がそれを下押しするため、全体としては急激なインフレをマイルドに抑え込む「相殺効果」を生むと予想されます。
指数の推移を見れば、現在の物価高を急激に悪化させないための「防波堤」としての機能が強く、家計を豊かにするものではないというのが実態でしょう。
また、補助金の財源の話題がセットになり、国債の金利へ影響を与え、住宅ローンへの影響も軽微ではありません。
現在の急激なインフレが特異な事象だと設定した場合、私は「外為特会(外国為替資金特別会計)」からの利益は財源になり得ると考えています。確かに一時的な収益であることは理解していますが、現在の状況が、デフレ期からの脱却が給与への転換をして確実な経済成長へ移行する転換点であるとすれば、今大きく国が動くことで、企業も投資を拡大したり給与を上げたりすることができると思います。
ちょうど昨日開催された政府の経済財政諮問会議においても、民間議員からこの外為特会の剰余金を経済対策の財源として積極的に活用すべきだとの提言がなされました。
外為特会は為替介入の原資などを管理する口座ですが、近年の円安局面によって円建ての評価額が大きく膨らみ、運用の利子収入などを含めて数兆円規模の潤沢な剰余金(高市首相が言ういわゆる「ホクホク状態」)が発生しています。
この外為特会の余剰金を一般会計へ繰り入れる割合を、現在の約7割からさらに引き上げるという議論は是非進めて頂きたいと思います。
増税や野放図な国債増発に頼るのではなく、円安というマクロ経済環境の変化によって期せずして生まれた「埋蔵金」とも言える余剰財源を、有効に市場へ還流させる。
国民に負担をさせるのではなく、緊縮財政で冷え込みがちな国内市場において、無理のない形で「緩やかな経済成長」を促すための理にかなった施策だと思います。
財政健全化の規律を守りつつも、市場の活力を削がない持続可能な成長投資を行うためにも、この財源論は前向きに進めて頂きたいと思います。
不動産市場の現場に立つ者として、現在のマーケットは決して悲観的な状態にあるとは考えていません。
一部で「市場は踊り場に入った」「一等地以外では価格負担が重い」との指摘があるのは事実ですが、それは市場の崩壊ではなく、より足腰の強い構造への移行期です。
その証拠に、市場を下支えする強力な実需の波がデータとして表れています。
日本経済新聞には、「大企業が年収を1割・1000円以上引き上げた」との記事が掲載されていました。
名目賃金の本格的な上昇は、間違いなく不動産価格の底堅い下支え要因(サポート材料)となっています。
毎月の給与、そして将来の所得見通しが増えれば、住まいに対する購買力や投資意欲は確実に向上します。
また、「新築マンションを購入する世帯の6割が年収1000万円以上」であるという実態が報じられています。
これは、現在の日本の不動産市場が、かつてのバブル期のような実体のない投機マネーで踊っているのではなく、相応の購買力を備えた「パワーカップル」や「高所得法人」という、強固な実需層によって支えられていることを明確に示しています。
もちろん、転売規制や、短期売買に対する重い税負担は投機を抑えるためには必要な施策であり、息の長い成長には必要です。
大企業の賃上げによる所得の底上げと、確かな購買力を持つ実需層の存在があるからこそ、市場の価格は大きく崩れることなく維持され、投機から実需主導の市場への転換が図られています。
政府によるガソリン・電気ガス補助金の調整は、家計にとっては目先を凌ぐための「守りの施策」かもしれませんが、外為特会の余剰金活用による成長投資や、民間主導の力強い賃上げという「攻めの兆候」が組み合わさることで、2027年に向けた市場は緩やかに拡大していくポテンシャルを秘めています。
不確実な未来に過度な不安を抱く必要はありません。
大切なのは、こうしたマクロ経済の動向と足元の税制・金利構造の事実を冷静に見極め、長期的な視点で資産形成のVisible(見える化)を図ることです。
弊社では、これからも皆様の確かなライフプランと資産防衛を、住宅の側面から全力でバックアップしていきたいと思います。2026年10月30日

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