秋が深まってきましたね。今年の年末商戦、好調と言われていますが、少し変化があるようです。 ブログ1978回
昨夜のNY金融市場は原油価格の高止まりを背景に売りが目立つ市場でした。Dowは横ばいでしたが、Nasdaqが1.25%下げています。日経平均先物価格は68,395円と、70,000円を付けてから調整しています。気になる金利は米国10年債が5.25%、日本国債10年債金利は3.09%とほぼ横ばいでした。市場は短期的には踊り場に入っています。10月に入るとその年の年末商戦に注目が集まります。少し気が早いですが、ハロウィンが終わればショーウィンドウはクリスマスに変わります。市場は今年の年末商戦をどのように捉えているのでしょうか?
2026年の米国年末商戦に対するアナリストや主要調査機関の見方は、全体として「堅調な売上成長(初の1兆ドル突破予測も)が見込まれるものの、消費者は極めて価格に敏感で選別的である」という予測に集約されています。マクロ経済の先行き不透明感や物価高といった逆風はあるものの、可処分所得の伸びや株高による資産効果が消費を支えています。
📊 主要調査機関による2026年予測一覧

調査機関 / アナリスト 売上高成長率予測(前年比) 特記事項・主な見解
Deloitte(デロイト) +4.0% 〜 +4.8% ・総売上高は 1.70兆〜1.71兆ドルに達し、前年の4.1%増から成長が加速する見通し
・Eコマース(ネット通販)が +7.5%〜+8.4% と全体の成長を牽引
Bain & Company
(ベイン・アンド・カンパニー)
+4.5% ・年末商戦の売上高が史上初めて1兆ドルを突破すると予測
・ただし、名目成長の半分以上はインフレ(物価上昇)による押し上げ効果
Mastercard Economics Institute
(マスターカード)
+5.5% ・自動車・ガソリンを除くベースで、過去4年間で最も強い年末商戦になると非常に強気な予測
Adobe Analytics
(アドビ・アナリティクス)
+6.7%(ネットのみ) ・オンライン売上高の伸びは昨年並みのペースを維持すると見込む

売上は堅調に推移しそうな年末商戦ですが、消費者の消費志向には変化があるようです。ここ数年、ネットを通じて早い時期から人気の商品を予約し購入することが一般化しており、年末商戦が前倒しで行われるようになっています。
各社のアナリストの分析から、今年の消費行動には以下の特徴が見られます。
  • 徹底した「価値(バリュー)の追求」とブランドスイッチ
    消費者の約74%が「セールの活用、プライベートブランドの購入」などの節約行動をとると回答しています。また、半数以上の消費者が「予算を最大限活かすために、これまでに利用したことのない新しい小売店やブランドを試す」と答えており、従来のような特定のブランドへの忠誠心は薄れ、価格と価値のバランスにシビアになっています。
  • 「超前倒し」の商戦スタート
    Amazon、Walmart、Targetなどが10月前半から一斉に大型セールを仕掛けています。アナリスト(Placer.ai)によると、特に家電や家具などの「大型・高額商品」について、消費者は「価格がこれ以上上がる前に割引価格で確保しよう」と、感謝祭(11月下旬)よりもかなり早い段階で購入を完了させる傾向が強まっています。
  • 「モノより体験、自宅中心の祝い方」へのシフト
    旅行コストの高騰を受け、3分の1以上の消費者がホリデーシーズンの旅行をキャンセル・延期し、「自宅でのエンターテインメントやホームパーティー」へ予算を振り向けています。また、若い世代(Gen Zなど)を中心に、ショッピングモールへ出かける目的が単なる買い物ではなく、レストランでの食事や季節のイベントといった「体験(ソーシャルな外出)」を重視する形に変化しています。
総じて、財布の紐は決して固く閉ざされているわけではありませんが、「お得感(割引)や明確な付加価値がないものには1ドルも払わない」という、小売店にとっては極めて競争の激しい年末商戦になると予測されています。
2026年の米国年末商戦において、例年に比べても特に突出しているユニークな購買トレンドは以下の3つです。単なる「節約」を超えて、テクノロジーの活用や世代間の価値観の変化が色濃く出ています。
  1. 「AI(人工知能)によるクーポン・比較検索」の爆発的普及
    今年最も際立っているのが、消費者が「価格比較や予算管理のツール」として生成AIを本格的に使い始めている点です。
    「AIは新しいクーポン切り」:PwCの2026年ホリデー見通しによると、消費者の29%(前年の22%から急増)が年末商戦の買い物にAIを活用する計画を立てています。
    選択疲れの軽減:Walmartのデータでも、AIユーザーの72%が「AIによって選択肢の過多が解消され、購入意思決定がシンプルになった」と回答しています。最安値や最適なギフトの組み合わせをAIに瞬時に検索させ、賢く立ち回るスタイルが定着しています。
  2. Z世代が牽引する「脱・画面(スクリーンフリー)ギフト」の復権
    デジタルネイティブであるはずの若い世代を中心に、「あえてデジタルから離れたアナログなモノ」を贈る・求める傾向が急浮上しています。
    アナログ回帰:PwCの同調査では、消費者の64%が今年は「画面を見ない(スクリーンフリー)ギフト」を優先すると答えており、さらにZ世代に限るとその割合は78%にまで跳ね上がります。
    具体例:紙の書籍(本屋チェーンへの来店客数は前年比10.7%増と好調)やボードゲーム、クラフトキット、コレクターズアイテムなど、「手で触れられる体験」や「自己表現」につながる実体のあるアイテムがギフトとして見直されています。
  3. 実店舗とネットを融合させた「Webrooming」と「Showrooming」の双方向化
    オンラインとオフライン(実店舗)を完全に行き来する「ハイブリッド型ショッピング」が全世代で標準化しています。
    Webrooming(ウェブで探して店で買う):消費者の67%がネットで下調べをしてから実店舗で購入する計画を持っています。
    Showrooming(店で見てネットで買う):一方で53%の消費者は、店舗で実物を確認した上で、最も安いオンラインストアや配送条件の良いサイトで決済を完了させます。
    これにより、Mastercardは今年の実店舗の売上高も前年比+3.6%と過去4年で最高の伸びを予測しており、ECの成長(+11%)に負けず劣らず「リアルな売り場」の重要性が大きく見直されています。
ネット疲れなのでしょうか?それとも新しいガジェットが出てこないため、誰もが持っているデジタル製品より、友人と集まるコト消費にお金が使われたり、プレゼントもボードゲームのようなアナログが好まれていることは興味深いです。デジタルが人を分断したと言われますが、ホリデーシーズンは多くの人が集まり、みんなで楽しむことが主流なのかもしれません。市場も人間関係も、もしかしたら思想も振り子のように大きく振れて揺り戻しが起こるものなのかもしれませんね。いつの時代も人の気持ちにあまり変化がないとも取れます。AIが普及して世界が大きく変わる、すでに変わっていると言われますが、人の気持ちまで機械が代替え、誘導するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。我々デジタル・アン・ネイティブ世代の価値観まだ生き残るかもしれません。
2026年10月9日

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